インプラントにおける用語「フィクスチャー」とは?
2016年10月1日 (土)更新
インプラントと一言でいっても、治療方法はたくさんあり、使用される部品の種類もたくさんあります。今回は、インプラント治療の際に歯根部となるフィクスチャーについてご紹介したいと思います。
フィクスチャーとは
インプラントの治療の際に、歯が抜けてしまった部分に打ち込むネジのようなものをフィクスチャーと呼びます。一般的には、直径7~13mm、幅3,5~5mmのフィクスチャーがインプラントでは使用されています。世界中で100以上のメーカーによって製造されていて、どのメーカーのどのタイプを使用するかは、歯医者さんの見解によって決められます。
フィクスチャーの種類
フィクスチャーは主に4種類に分けられます。
■スクリュータイプ
現在最も多く使用されているのがこのスクリュータイプです。フィクスチャーがネジの様な形状になっているインプラントで、骨に埋め込む穴が小さく、噛む力を効率よく骨に伝えることができます。
■シリンダータイプ
スクリュータイプと並び、主流として使用されているフィクスチャーです。フィクスチャーが円柱型になっていて、凹凸がないため歯槽骨内に埋めやすいのが特徴ですが、固定するのに期間を要するのが難点です。
■バスケットタイプ
スクリュータイプと見た目は似ていますが、インプラントの側面に複数の穴が空いていて、スクリュータイプと比べて、更に歯槽骨内に固定しやすく、内側に歯槽骨が埋まる仕組みになっています。
■ブレードタイプ
インプラントがT字の板状で幅が狭く薄いため、骨幅が狭い部分に使えます。しかし、力のかかり方に偏りがあり、破損などが起きやすいという欠点があるので現在はほとんど使用されていません。
フィクスチャーの材質
フィクスチャーの素材は数種類あります。骨との結合性が高いという点で、一般的には純チタンが用いられています。チタン・ニッケル合金も純チタンと並び使用されている材質ですが、純チタンと比較すると結合性は劣るものの、任意の形状に成形でき、形状記憶の特性があります。また、かつては人工サファイアも使用されていましたが、骨とインプラント体との結合が起こらないという理由で今では使われていません。
かみ合わせや審美性も治療前に相談してから決められる
インプラント治療では、治療によってどういったかみ合わせにするかを決める必要があります。カウンセリングによって、術後どのような形状が好ましいかを相談します。カウンセリングにより方向性が決まったら、CTを用いて、埋めこまれたインプラントと骨がどのような形態をしているのかを立体的に把握します。これにより、術後の口腔内の様子がイメージできるので、かみ合わせや笑顔の様子なども歯科治療前に想像することができます。