タバコが歯周病に影響!?喫煙で口内に何が起こっているのか

2018年11月1日 (木)更新

タバコが人の健康にさまざまな害を及ぼすことを知らない人はいないでしょう。
歯周病が怖い病気であり、重症化すれば最終的に歯を失うことになることも、多くの方が知っているはずです。
しかし、タバコが歯周病を悪化させていることを知っている人は、意外に少ないようです。喫煙者の口のなかで起きていることをアークデンタルが紹介します。

歯周病菌を守る「防護壁」をつくってしまう

歯周病菌を守る「防護壁」をつくってしまう
タバコに含まれるタールは粘着質のため歯の表面につきます。そのため喫煙者の歯は黄ばんでしまうのです。
歯の表面のタールにはさらに、歯垢が付着してきます。歯垢だけなら歯ブラシで取り除けるのですが、タールと混ざった歯垢は簡単には除去できません。
そのため歯垢がいつまでも歯に付着した状態になり、やがて、カチカチに硬くなる歯石に変わります。
歯垢にも歯周病菌がたまりますが、歯石はさらにやっかいです。歯石は歯科クリニックの専用器具でないと取り除けないので、歯周病菌を守る「防護壁」になってしまうのです。
そうなると歯周病菌は口のなかで「暴れ放題」です。歯周病菌は毒素を出しながら、歯の根を支えている顎の骨を溶かしていくのです。

血行悪化を招く

タバコのニコチンや一酸化炭素により、血行が悪化したり血液中の酸素が減ったりします。そうなると栄養や酸素が細胞に届きにくくなります。
血液はさらに、白血球も運んでいます。白血球は免疫の要(かなめ)なので、血行が悪化すると免疫力が落ちます。
健康で免疫力が高い人なら、少しくらい歯周病菌の攻撃に遭っても戦うことができますが、免疫が落ちると歯周病菌に「やられるがまま」です。

歯周病菌を隠してしまう

歯周病菌を隠してしまう
歯周病の初期症状のひとつに、歯肉からの出血があります。歯周病は炎症を引き起こすので、歯ブラシをしたりリンゴのような硬いものを食べると、血がにじんできてしまうのです。歯肉からの出血は、歯医者にかかるサインです。

ところが喫煙者は血行が悪いわけですから、歯周病による出血が目立たないのです。患者さん本人が初期症状を見逃してしまうので、歯科クリニックにいくタイミングを逸してしまいます。つまり治療が遅れてしまうのです。
そのため喫煙者の歯周病治療は、かなり悪化してから始まることが多いのです。

まとめ~歯を残すために禁煙しましょう

歯周病の「執着駅」は歯の脱落です。厚生労働省や歯医者は80歳まで20本の天然の歯を残す「8020」運動を展開していますが、歯周病を発症しては到底その目標を達成できないでしょう。
歯を残すために禁煙しましょう。