女性ホルモンが及ぼす歯茎への影響

2016年11月1日 (火)更新

毎月、生理前になると歯茎が腫れて出血するという悩みを持つ人はいませんか。女性ホルモンの分泌量と歯茎の健康には大きな関係があります。

ホルモンバランスが乱れやすい時期は歯周病リスク高まる

ホルモンバランスが乱れやすい時期は歯周病リスク高まる
女性ホルモンの分泌はライフステージや月経周期に左右されます。排卵直前や生理前にエストロゲンが上昇すると、女性ホルモンを栄養源にしている細菌が活発化します。これらの細菌によって、歯茎の腫れが引き起こされます。さらに思春期と妊娠・出産、そして更年期というホルモンバランスが乱れやすい時期は、歯周病にかかりやすくなります。

ホルモンステージに合わせてオーラルケアを

ホルモンバランスの乱れによる歯茎の腫れや歯肉炎、歯周病を防ぐには、ホルモンステージに合わせたオーラルケアが必要です。
例えば、思春期。身体の成長に伴って、女性ホルモンがつくられるようになると、それに反応して、歯肉炎が起こりやすくなります。試験勉強や部活動などでストレスも多く、身体の免疫力も下がりがちです。こうしたときは、甘いモノのドカ食いなどをしがちですが、3食きちんととって、よく噛んでゆっくりと食べて、睡眠をたっぷりとりましょう。

歯周病で早産や低体重児のリスク高まる

歯周病で早産や低体重児のリスク高まる
妊娠中も歯周病の危険性が高まる時期です。
つわりがあるとオーラルケアが不十分になったり、食欲もなく食べないので唾液の分泌量が減り、口の中の細菌が増えやすくなります。常に口の中に何か入れていないと気持ちが悪くなる「食べづわり」の場合は、口の中をこまめにゆすいだりブラッシングをして、清潔に保つように心がけましょう。
歯周病の妊婦からは、早産や低体重児で生まれるリスクが通常の7.5倍にも増えるという報告もあります。生まれてくる赤ちゃんのためにも、歯科ケアに気をつけましょう。

歯周病は骨粗しょう症、生活習慣病や全身疾患とも関連

更年期以降は、ホルモンの分泌低下に伴ってドライマウスの人が増えます。ホルモンバランスの崩れとともに、唾液量の低下によって歯周病のリスクが高まります。
また、歯周病は、糖尿病やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病や全身疾患を引き起こすリスクが高まるとも指摘されています。骨粗鬆症と歯周病の関連も疑われていますので、歯医者さんで定期的な歯科検診を受けましょう。

歯茎の炎症を甘く考えていてはいけない!

歯茎の炎症を甘く考えていてはいけません。放っておくと、歯を支えている歯槽骨にまで炎症が広がり、歯がぐらついて最終的には抜けてしまいます。抜けた歯や緩んだ歯茎は、もう自然にはもとの状態に戻すことができません。
ピンク色の健康な歯茎は若さの象徴です。きれいな笑顔を保つためにも、歯茎のケアを怠らないようにしましょう。