深いほど危険?歯茎の健康に欠かせない“歯周ポケット”って?

2017年07月1日 (土)更新

歯磨き粉や歯ブラシのCMなどでよく耳にする“歯周ポケット”ですが、実は歯周ポケットは何かをよく知らないという人も多いでしょう。歯周ポケットとは、歯周病になると歯と歯茎の隙間に形成される深さを表しており、進行するにつれどんどん深くなっていきます。今回は歯周ポケットの深さと歯周病の進行の関係について紹介します。歯周病を知ることで歯茎の健康を保ちましょう。

歯周病の原因とは

歯周病の原因とは
歯の表面にはプラークと呼ばれる細菌の塊が食後数時間で形成されます。プラークが取り除かれないと石灰化され歯石になります。歯石は細菌が入り込みやすい構造をしており、細菌の繁殖する土台となります。歯周病は歯の表面に付着したプラークが放置されることで進行します。プラークは歯磨きで落とすことが出来ますが、歯石は歯磨きでは落とすことが出来ません。

歯周ポケットについて

歯と歯茎には僅かな隙間があり、その隙間のことを歯肉溝と呼びます。健康な状態では歯肉溝の深さは「0.5~2mm」となりますが、歯茎に炎症が起こってしまうと歯肉溝が深なっていきます。歯周病で深くなった歯肉溝を“歯周ポケット”と呼びます。歯周ポケットには歯周病の原因菌が多く潜んでいます。よく歯肉溝=歯周ポケットと捉われていることが多いのですが、健康な歯肉溝を歯周ポケットとは呼びません。

歯周ポケットと歯周病の関係

歯周ポケットと歯周病の関係
歯周病になると炎症によって歯茎からの出血や歯を支えている骨を溶かすなどの症状が現れます。歯周病は歯周ポケットの深さにより軽度、中程度、重度の3段階に分かれます。歯周ポケットの深さは歯を支えている骨を失った量を表しており、重度になるにつれて歯周ポケットはどんどん深くなっていきます。

歯周病の治療

歯周病治療は最初に歯の汚れを落とすクリーニングやブラッシング指導から始まります。歯のクリーニングによって歯周病が改善することができない場合は外科手術を行うことになります。しかし、あまりにも深い歯周ポケットでは、細菌が歯周ポケットの奥まで入り込んでしまっているため、治療を実施したとしても、改善する可能性が薄いと歯科医師が判断した場合、歯を抜く必要が出てきます。

正しい歯磨きを行わない限り改善しない

よく歯周病が治ると謳っている歯磨きグッズが販売されていますが、歯周病に一度罹ってしまうと残念ながら治りません。また、それらの歯磨きグッズをどんなに使い続けても、正しい歯ブラシが行えていないと意味がありません。歯周病を改善するためには歯医者さんで歯周病治療を受けつつ、自らも正しいケアを行う必要があります。