「歯が透けてる…」それは酸蝕歯のサインです

2017年12月1日 (金)更新

歯はある程度の厚みがあり、エナメル質は石灰化しています。エナメル質は骨以上に硬くて、色は白色をしています。
歯が透けて透明に見えるのにはどういった原因があるのでしょうか。
歯が透けて見えるのには歯質(歯の厚み)が薄くなってしまうことが考えられます。そして、歯質が薄くなる原因としては
1. 歯が欠ける
2. 歯が溶ける
この2つが考えられます。この2つの原因から「歯が透けてしまう」酸蝕症について説明していきます。

酸蝕症は歯を弱くする

酸蝕症は歯を弱くする
まずは酸蝕症について説明をしていきます。酸蝕症とは読んで字のごとく「酸によって蝕(むしば)まれる症状」です。
ここでいう酸とは食事の調味料にも使われる酢やビタミン系ドリンクに含まれている酸味などです。これにはレモンも含まれますし、炭酸飲料全般も含まれています。
また、仕事で「硝酸・塩酸・硫酸」等を使用している工場や現場で働いている人も酸蝕症には注意が必要です。こういった人たちには労働に関する法律で歯医者さんへの特別検診を受けるように指示が出ているほど酸蝕症のリスクが高い職業なのです。

酸蝕症で一番問題になるのは歯を弱くさせることです。
歯のエナメル質を溶かしてしまう結果、エナメル質の下にある象牙質まで露出させていきます。エナメル質は酸に対して抵抗性がありますが、象牙質は酸に弱くより溶けやすいという特徴があります。
こうして、酸蝕症によって溶けてしまった歯を酸蝕歯と呼びます。

歯が弱くなった結果…

酸により歯が溶けてしまうと、結果的に歯が欠けやすくなります。
歯が白く見えるのはエナメル質の石灰化により光が透過しないことが原因です。しかし、酸蝕症でエナメル質が溶け始めてしまうとエナメル質の密度が低下することに繋がり、裏打ちのないエナメル質が出てきます。歯が弱くなり欠けてしまっても同じです。エナメル質に裏打ちがないと光が透過するので結果として歯が透けて見えてしまうのです。

知覚過敏になることも

知覚過敏になることも
酸蝕症で象牙質が露出してくると知覚過敏の症状が現れます。一般的に「知覚過敏」と呼ばれていますが、正式には象牙質知覚過敏症が本来の疾患名です。象牙質から神経へ水などの刺激が伝わることで痛みを引き起こすのが代表的な症状です。
知覚過敏の初期症状であれば市販の知覚過敏用歯磨き粉や歯医者さんで処置を行えば痛みを軽減させることができますが、重症化してしまうと歯の神経を抜く処置を検討しなければなりません。
ただし、初期の知覚過敏であれば虫歯のように修復して治すことや、被せ物をしてしまって刺激が歯に加わらないようにすることも可能です。
もし、自分で酸蝕症の自覚や疑いがある人はすぐにアークデンタルへ行き治療を受けましょう。